近年、商品購入の際にSNSを参考にする消費者が増加傾向にあり、ECサイトにとってSNSを活用した集客や販促活動がますます重要になってきています。しかし、SNSマーケティングの実践には悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSを効果的に活用してECサイトの売上アップを実現するためのポイントを解説します。事例を交えながら、SNSマーケティングの具体的な手法や注意点について詳しく見ていきましょう。ECサイトの集客力を高めるヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。
自社の商材やターゲット層に合わせた最適なSNS施策を見つけ、ECサイトへの流入増加や売上アップにつなげていきましょう。
■ この記事でわかること
- SNSマーケティングの重要性と企業の課題
- SNSを活用したECマーケティングの具体的な手法
- SNSマーケティング成功事例の紹介
- 効果的なSNS運用のポイントと注意点
目次
ECマーケティングの基本
まずは、ECマーケティングの基本について見ていきましょう。ECマーケティングの概要や目的、主な手法などを順に解説します。
ECマーケティングとは
ECマーケティングとは、ECサイトを通じて商品やサービスを販売するためのマーケティング活動のことを指します。オンライン上で効果的に顧客にアプローチし、売上増加を目指す取り組みです。
従来の実店舗でのマーケティングと異なり、ECマーケティングではWebサイトやSNSなどのデジタルツールを活用します。顧客データの分析や、ターゲットに合わせた広告配信、ユーザー体験の最適化などが重要なポイントとなります。
BtoC-EC市場の拡大
近年、日本のBtoC-EC市場は著しい成長を遂げています。2019年の市場規模は19兆3,609億円に達し、前年比7.65%の増加率を記録しました。EC化率も年々上昇傾向にあり、消費者の購買行動がオンラインにシフトしつつあります。
近年、日本のBtoC-EC市場は著しい成長を遂げています。経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、2023年の市場規模は24.8兆円に達し、前年比9.23%の増加率を記録しました。EC化率も年々上昇傾向にあり、消費者の購買行動がオンラインにシフトしつつあります。
この背景には、スマートフォンの普及やSNS利用者の増加があります。手軽にオンラインショッピングができる環境が整備され、商品購入の際にSNSを参考にする消費者も増えています。ECサイトにとって、SNSを活用した集客や販促活動がますます重要になってきているのです。
ECマーケティングの目的
ECマーケティングの主な目的は、ECサイトへの集客と売上アップです。そのためには、潜在顧客の興味を引き、サイト訪問を促す施策が欠かせません。また、一度訪れたユーザーを購入につなげるための工夫も必要でしょう。
具体的には、以下のような目的を達成するためのマーケティング活動が求められます。
- ブランド認知度の向上
- 新規顧客の獲得
- リピート率の向上
- 顧客ロイヤルティの強化
- 顧客単価の増加
これらの目的を達成するには、ECサイトの最適化だけでなく、SNSやメールマガジンなどの外部チャネルも有効活用することが大切です。
ECマーケティングの主な手法
ECマーケティングには様々な手法がありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。自社の目的や予算に合わせて、適切な手法を選択することが重要です。
- SEO対策:検索エンジン最適化により、自然検索流入を増やす
- リスティング広告:検索連動型広告でターゲットを絞った集客を行う
- SNSマーケティング:SNSを活用した情報発信や広告配信で集客する
- コンテンツマーケティング:役立つ情報を発信し、ブランド価値を高める
- メールマーケティング:メルマガ配信で顧客とのつながりを強化する
- アフィリエイトマーケティング:外部サイトからの誘導で売上を伸ばす
これらの手法を組み合わせ、効果的なECマーケティング戦略を立てることが肝要です。特にSNSマーケティングは、リアルな口コミの拡散力を活かせる点で注目されています。次章以降で、SNSを活用したECマーケティングの事例を詳しく見ていきましょう。
SNSを活用したECマーケティング
SNS利用者の増加とEC購買行動への影響
近年、SNSの利用者数が急速に拡大しており、それに伴ってECサイトでの購買行動にも大きな影響を与えています。企業はSNSを活用して、見込み顧客へのアプローチや新規顧客開拓が可能になりました。
また、商品購入の際にSNSを参考にする消費者も増加傾向にあります。20代から40代のSNS利用習慣のある女性への調査で、「何かを購入する際に、SNSで情報を収集しますか?」という質問に対し、7割以上がすると回答*。SNSで購入品の情報収集をする理由としては「多くの人が話題にしているから」「写真や動画があると生活に取り入れるイメージが沸きやすいから」などの回答がみられました。SNSの口コミやユーザーレビューが購買行動に影響しており、SNSを活用した顧客接点の開拓がますます重要になってきているといえます。
*株式会社uluコンサルタンツ,「SNSがライフスタイルに与える影響」に関する調査
SNS活用のメリット
SNSを活用することで、企業は様々なメリットを得ることができます。まず、SNSでは無料で手軽に情報発信が可能です。商品やブランドイメージ、社会活動などを広く発信できるため、自社の目的に合わせて無料でマーケティングをおこなえます。
また、自社ECサイトのURLリンクをSNSに設置することで、キャンペーンページや商品ページへの誘導が容易になります。ユーザーとの直接コミュニケーションを通じて信頼性を向上させ、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
さらに、SNSでの口コミの力によって、タッチポイントを増加させ、ブランド認知度が向上や購買行動を後押しすることができます。
SNSマーケティングの活用法
では、具体的にどのようにSNSマーケティングを活用すればよいのでしょうか。SNSマーケティングの手法としては、主に以下の5つがあります。
SNS活用時の注意点
一方で、SNSを活用する際には注意点もあります。まずは、自社のターゲット層に合ったSNSプラットフォームを選定することが重要です。各SNSの特徴やユーザー属性を調査し、自社の商品や目的に合った、親和性の高いSNSを選定しましょう。
また、SNSを運用するにあたり、専任の担当者を配置することをおすすめします。炎上やステルスマーケティングを防ぐためにも、SNSリテラシーの向上に努め、適切な管理体制を整備することが求められます。
SNSマーケティングは長期的な目線で取り組むことが肝要です。成果を継続的に分析し、投稿内容の改善を図りながら、ユーザーとの信頼関係構築を目指した地道な運用を心がけましょう。
SNSを活用したECマーケティング事例
ここでは、実際に弊社がSNSマーケティングをご支援し、ECサイトへの集客や売上アップに繋がった5つの事例を紹介します。
事例① 韓国農水産食品流通公社様
韓国農水産食品流通公社は、Instagramでのハッシュタグ「#カット干し柿」にアンバサダー投稿をランクインさせることで、商品の認知拡大と興味関心の促進を図りました。その結果、購入場所に関する問い合わせが発生し、オンラインショップの売上が前年比130%に向上した商品がみられました。
アンバサダーによる生活者目線のリアルな投稿が、ユーザーの共感を呼び、商品への興味関心を高める効果があったのでしょう。ECサイトへの誘導にも繋がり、売上アップに大きく貢献したと考えられます。
事例② 株式会社アストリション々
株式会社アストリションは、ECサイト流入と広告用動画素材収集を目的に、アンバサダーPRを実施しました。ハッシュタグ「#鉄分サプリ」でトップ投稿にランクインさせ、ストーリーズ投稿にECサイトURLやクーポンコードを記載しました。
その結果、アンバサダー投稿から8件のECサイト購入が発生するという成果を上げています。ユーザーにとって有益な情報提供と、ECサイトへの誘導が上手く機能した事例だと言えるでしょう。
事例③ 株式会社フィッツコーポレーション
株式会社フィッツコーポレーションは、リニューアルパッケージの写真収集とECサイト流入アップを目的に、アンバサダーPRを導入いただきました。ハッシュタグ「#スプレー化粧水」「#導入化粧水」でトップ投稿にランクインさせ、ストーリーズのリンクスタンプ機能を活用しました。
その結果、Instagram経由のEC流入が2.7%から21.6%に大幅に向上しています。ユーザーの興味を引くハッシュタグ設定と、ECサイトへの導線設計が功を奏した好事例と言えるでしょう。
事例④ 株式会社フィッツコーポレーション
株式会社フィッツコーポレーションは、ブランドイメージの写真収集とECサイト流入増加を目的に、再度アンバサダープランを導入しました。ハッシュタグ「#エプソムソルト」でトップ投稿にランクインさせる施策を行いました。
その結果、ECサイトのアクセス数が前月比198%、前年比383%に増加するという驚異的な伸びを記録しています。ターゲットユーザーの関心の高いハッシュタグを的確に設定できたことが、大きな成果に繋がったのでしょう。
事例⑤ 浅野撚糸株式会社
浅野撚糸株式会社は、ECサイトリニューアル用とSNS投稿用の写真素材収集を目的として、アンバサダーPRを導入いただきました。ハッシュタグ「#タオル」「#タオルギフト」でトップ投稿にランクインさせる施策を実施しました。
その結果、Instagram経由の売上が5倍に増加し、初回限定商品「初めてセット」の売上も2倍に伸びています。ギフト需要の高い商材において、SNSでの情報発信とECサイトへの誘導が効果的に機能した好事例だと考えられます。
以上の事例から分かるように、SNSマーケティングを戦略的に実践することで、ECサイトへの集客や売上アップに大きく貢献できることがお分かりいただけたのではないでしょうか。自社の商材やターゲット層の特性を踏まえ、最適なSNS施策を展開していくことが重要だと言えます。
CREAVEのアンバサダープランでECマーケティング
ECサイトの集客や売上アップにSNSが重要な役割を果たすようになっています。特に、商品購入にSNSを参考にする消費者が増加傾向にあり、SNSを活用した顧客接点の開拓が不可欠です。そこで今回ご紹介するのが、SNSでのPR投稿と撮影素材収集を同時に実現するCREAVEのアンバサダープランです。
CREAVEのアンバサダープランとは
CREAVEのアンバサダープランは、商品の熱量が高い生活者目線のSNSクリエイター(アンバサダー)を活用し、リアルなUGC(ユーザー生成コンテンツ)を創出するプランです。アンバサダーによる共感を呼ぶ投稿が、商品の認知拡大と興味関心の促進に寄与します。
アンバサダーの特徴と役割
アンバサダーは、主に友人・知人との交流を目的にSNSを利用しているフォロワー数100~1万人程度の一般ユーザーです。PR案件への応募時点で商品への関心が高い傾向にあります。
アンバサダーの役割は以下の通りです。
- 商品コンセプトに沿った写真や動画の撮影・納品
- 使用感や商品の魅力をSNSで情報発信
- 1名あたりの納品目安:UGC投稿1~2本、写真5~10枚、動画1~2本
まとめ
SNSを活用したECマーケティングを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、自社のターゲット層に適したSNSプラットフォームを選択することが大切です。各SNSにはユーザー属性の特徴があるので、親和性の高いSNSを見極めましょう。
次に、リアルなUGCを活用して共感を獲得することも重要です。商品を実際に使用しているユーザーの生の声は、潜在顧客の購買意欲を高める効果があります。ハッシュタグキャンペーンなどでUGCを積極的に集めていきましょう。
さらに、SNSからECサイトへの誘導施策も欠かせません。投稿にURLを記載したり、ストーリーズのリンク機能を活用するなど、ユーザーが簡単にECサイトにアクセスできる動線を整備することが肝要です。継続的な運用と改善を行いながら、SNSマーケティングに取り組んでいきましょう。