このたび、株式会社CREAVEは、SNSマーケティングご担当者様・広告代理店様向けに、オンラインセミナー『なぜ今、企業はショートドラマを使うのか? 話題の共感型コンテンツ”ショートドラマ”を徹底解析』を、2025年5月28日(火)に開催しました。
本記事では、セミナーの内容をレポート形式でお届けします。ショートドラマが注目される背景や具体的な活用方法、企業事例などを詳しくお届けします。ショートドラマを活用したい方、マーケティングを強化したい方は、ぜひご覧ください。
■ このレポートでわかること
- ショートドラマが企業のマーケティング施策として注目されている理由
- ショートドラマを活用するメリットと導入時に注意すべきポイント
- ブランディング・商品PR・地方創生・啓蒙活動など、目的別の活用事例
- 実際に成果を上げた企業のショートドラマ活用実績
目次
■ 開催趣旨
“共感型コンテンツ”として注目を集める「ショートドラマ」。
なかでも広告感のないストーリーが視聴者に刺さりやすく、商品やサービスへのポジティブな印象形成につながるとして、多くのブランドが導入を進めています。
本セミナーでは、ショートドラマが企業のマーケティングにおいて注目されている背景からメリット・デメリット、企業での活用事例など、ブランディング・プロモーション施策としての活用法を事例ベースでわかりやすく解説します。
■ 登壇者紹介

株式会社CREAVE(クリーブ)
ショートドラマ事業部 / プロデューサー
佐藤 颯
学生時代に株式会社AppTrendを共同創業し、子ども向け金融教育アプリ「株ラボ」の開発・運営を手掛ける。その後独立し、テレビ朝日と共にショートドラマ業界の市場調査、レポート、カオスマップなどを手がけ、ショートドラマ業界に参入。現在は株式会社CREAVEのショートドラマ事業部でプロデューサーを務め、視聴者に響く作品づくりを目指して、日々奮闘中!
CREAVEについて
株式会社CREAVEは、株式会社ガイアックスの100%子会社として、SNSを中心としたマーケティング支援を行っております。
最大の強みは、35万人を超える多様なスキルを持つクリエイターとの共創体制です。フォトグラファーやコンテンツプランナー、ショートドラマクリエイターなどを案件ごとに最適にアサインし、専属チームを構築しています。
事業は「SNSコンサルティング」「クリエイターマーケティング」「ストックフォト」の3軸で展開しており、企業の課題に合わせた本質的な提案・支援をご提供しています。
ショートドラマが注目されている理由

スマートフォンの普及やSNSの進化により、動画の視聴スタイルは大きく変化しています。なかでも注目を集めているのが、1〜3分程度で完結する縦型の「ショートドラマ」です。
共感を誘うストーリー構成とテンポのよさにより、視聴者を惹きつけるショートドラマは、今や企業のマーケティングにおいても有力な選択肢となっています。
ショートドラマが今、企業から注目されている理由は主に3つあります。
■ メディア消費行動が変化し、ショート動画への需要が増大
近年、スマートフォンの普及率の上昇に伴い、動画視聴のスタイルにも大きな変化が見られています。さらに、タイムパフォーマンスを重視するライフスタイルが広がるなかで、TikTok・Instagramリール・YouTubeショートのように、ショート動画の需要が急速に拡大しています。
マーケティングの観点からも、短時間で効果的にメッセージを伝えられる媒体として注目されています。
■ ユーザーの広告への抵抗感の増加
コンテンツの供給量が増加する中で、ユーザーの広告に対する抵抗感も高まっており、従来の広告手法では効果が出にくくなってきていると言われています。
一方、ショートドラマにおけるプロダクトプレイスメントでは、製品やサービスがストーリーの一部として自然に登場するため、消費者が広告だと感じにくく、抵抗感なく受け入れられる傾向にあります。このように広告感を抑えた自然な訴求によって、ブランドメッセージを効果的に届けられるため、ショートドラマはマーケティング戦略としての価値を高めています。
■ ソーシャルメディアの影響力の増大とバイラル効果
SNS上では、ユーザー同士が情報を瞬時に共有できる環境が整っており、コンテンツが拡散されるスピードと規模は年々増しています。このような特性を活かし、ショートドラマは短い尺と高いエンタメ性により、SNS上での共有を促進しやすく、自然な形でバイラル効果を生み出しやすいコンテンツとして注目されています。

実際に、Z世代を対象としたショートドラマ広告に関する意識調査では、85%以上がTikTokのショートドラマ広告にポジティブな印象を持っていると回答。さらに、84%がそれをきっかけに商品・サービス・ブランドを認知し、68%が興味を持った経験があるとしています。

加えて、40%以上がショートドラマ広告をきっかけに実際の購入やサービス利用に至ったと回答しており、認知から興味・関心、そして購買促進まで、ショートドラマが効果的に機能していることがわかります。
ショートドラマ活用のメリット・デメリット
企業のマーケティング施策として注目を集めるショートドラマですが、その活用には明確なメリットがある一方で、注意すべきポイントも存在します。ここでは、導入前に押さえておきたいメリットと、デメリットとして実際によくある失敗例についてご紹介します。
■ ショートドラマ活用のメリット

ショートドラマは、広告色を抑えた自然なプロモーションが可能な手法です。ストーリー仕立てで共感を呼ぶ構成により、企業のメッセージを“伝える”から“感じさせる”PRへと転換することができます。さらに、テレビCMや長尺の動画に比べて制作コスト・納期を抑えることができ、PDCAを回しやすいため、改善と最適化のスピードも早くなります。
また、シリーズ展開によって視聴者との継続的な接点を持つことができるため、登場人物や物語への愛着が育ち、企業アカウントに「ファン」を生むことも可能です。「たまたま見かけた動画」ではなく、「続きを楽しみにしているコンテンツ」へと昇華させられるのが、ショートドラマの大きな魅力です。
■ 企業におけるショートドラマ施策で陥りがちな失敗

一方で、導入時に注意すべきポイントもあります。よくある失敗の一つが、「バズったけれど売上や認知向上にはつながらなかった」というケース。話題性ばかりを重視し、企業メッセージや商材の価値がうまく組み込まれていないと、ビジネス成果には結びつきにくくなります。
逆に、商品の訴求を強くしすぎたことで広告感が強まり、ユーザーの反応が鈍くなるケースもあります。成功の鍵は、単に商品を“登場させる”のではなく、商品の価値を物語の起点に据えた企画・脚本設計を行うこと。視聴者にとって自然なストーリーの中に、企業メッセージを丁寧に溶け込ませる自然なストーリーの中に、企業メッセージを丁寧に溶け込ませることが求められます。
企業での活用事例

ショートドラマは、企業の目的に応じて柔軟に活用することが可能です。ここでは、「ブランディング」「商品・サービスのPR」「観光・地方創生」「啓蒙活動」の4つの目的に分類し、それぞれの企業事例をご紹介します。
■ 企業ブランディング
NTTドコモが若年層へのブランド認知向上を目的に、ショートドラマを活用したプロモーションを展開した事例です。15〜19歳の認知率が44%を達成し、Z世代への訴求に成功しました。

■ 商品・サービスPR
弊社がご支援している、オエノングループ 合同酒精株式会社様の事例です。梅酒「鍛高譚」を題材にしたショートドラマを展開しました。親子の絆を描いたストーリーを通して、ブランドの世界観を自然に伝えることに成功しています。
公開から1ヶ月でSNS総再生120万回を突破し、エンゲージメント率はInstagram広告の平均が1.2%に対し、10倍以上の成果を出しました。また、CPM(1,000回表示あたりのコスト)はInstagram広告の平均が500~1,000円に対し、2.5~6倍ほど効率よく配信できました。

株式会社ウテナが、好意度・認知拡大を狙ったショートドラマ施策を実施した事例です。前年同月比170%の売上を達成し、ブランド想起、購入意向で高い結果を出しました。

■ 観光・地方創生
日本航空株式会社の活用事例です。同社では、若年層へのリーチが課題となっており、 デジタル広告はリーチ・コンバージョン(CV)効率ともに伸び悩んでいました。そこで、認知が伸び悩んでいた久米島路線をテーマに、ショートドラマを制作しました。
その結果、航空券のコンバージョン(CV)数が最大400%UPし、キャンペーンページのPV数が通常の10倍という成果を出しました。また、若年層比率が10%UPしたほか、非会員率も8%UPしています。

■ 啓蒙活動
日本財団が、推し活×防災という切り口で、若年層への防災意識向上を目的にショートドラマを制作他事例です。全3話を公開し、計670万再生超えの結果を残しました。

セミナーのまとめ
ショートドラマは、共感を軸としたストーリーテリングによって、広告感を抑えながらも好感度の高い認知拡大を実現できる施策です。実際、Z世代の85%以上がTikTokのショートドラマ広告にポジティブな印象を持ち、84%がそれをきっかけに商品やサービス、ブランドを認知したと回答しています。
さらに、ショートドラマは低予算・短納期での制作が可能なため、スピーディーにPDCAを回しながら最適化を図ることができます。商品・サービスの価値をストーリーに自然に組み込み、ユーザーに“感じさせる”プロモーションが可能になるのも大きな特長です。
認知だけでなく、購買行動にもつながっている点も見逃せません。CV数400%アップや、売上前年比170%アップなどの成果を出した事例もあります。ショートドラマは、認知拡大から購買促進までを一貫して担えるマーケティング手法として注目されています。
CREAVEのショートドラママーケティング支援のご紹介
CREAVEでは、企業の商品やサービスをストーリーに自然に組み込んだ、1話あたり1〜3分程度のオリジナルショートドラマの企画・制作・効果測定までを一気通貫で支援するサービスを提供しています。
物語の中にブランドや製品を溶け込ませる「プロダクトプレイスメント」というプロモーション手法を用いることで、広告色を抑えつつ、認知度拡大や好意度醸成を効果的に行うことが可能です。
提供プランは以下の2種類です。
- ショートドラマ制作・配信プラン
- 企業様の商品・サービスが登場するオリジナルショートドラマを納品し、広告マーケティング効果の最大化を目指します。
- VSDアカウント運用プラン
- CREAVEが得意とする“バーチャルショートドラマ(VSD)”形式で、没入感とリアリティを兼ね備えたショートドラマコンテンツを制作・運用します。

弊社実績紹介
CREAVEでは、さまざまな業種・目的に応じたショートドラマを企画・制作しており、多くの企業様にご活用いただいています。ここでは、3つの支援実績をご紹介します。
■ パナソニック ホールディングス株式会社様
パナソニック ホールディングス株式会社様において、ロボット製品「NICOBO」をテーマに、若年層への認知拡大を目的とした、オリジナルショートドラマを制作し、ショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信しました。
制作したのは、スタートアップ企業の癒やし要員として、NICOBOの利用シーンを描いたショートドラマです。社内コミュニケーションが希薄になりがちなオフィスシーンで、「NICOBO」の需要を喚起させることを狙いとしました。

■ マッチングアプリ会社様
マッチングアプリ会社様において、オリジナルドラマを通じた認知拡大を目的に、「マッチングアプリ」を題材としたオリジナルショートドラマを制作しました。
恋愛や結婚に前向きな気持ちを引き出すよう設計されたストーリーを通じて、ユーザーに「恋がしたくなる」感情を生み出し、アプリのダウンロードを促進させました。

■ オエノングループ 合同酒精株式会社様
商品の特徴にあわせた物語で、商品やブランドの魅力を自然に訴求し、新しいユーザー層への認知拡大と、ブランドの魅力の自然な伝達と愛着形成を実現させました。
オエノングループ 合同酒精株式会社様の鍛高譚「TAN TAKA TAN SHISO梅酒」を題材にし、親子の絆を描く感動的なストーリーを制作しました。普段はうまく話せない父と娘が、鍛高譚をきっかけに心の距離を縮めていく物語です。

本セミナーでは、具体的な成功事例を交えながら、ショートドラマが企業のマーケティングにおいて注目されている背景からメリット・デメリット、企業での活用事例など、ブランディング・プロモーション施策としての活用法をご紹介しました。これらの事例が、皆様の今後のSNS運用の一助となれば幸いです。
本セミナーで使用した資料は、以下のフォームよりダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。