広告に対する嫌悪感の高まりや、UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)の購買影響力の大きさを背景に、UGCマーケティングへの注目が高まっています。実際に商品を使用した人の生の声は説得力があり、信頼感や親近感を醸成できる点が魅力です。しかし、著作権侵害やステマなどの注意点にも配慮が必要です。

この記事では、UGCマーケティングの基本的な知識から、メリットや注意点、具体的な活用方法、運用のポイントまで詳しく解説します。UGCを効果的に活用することで、コストを抑えながらマーケティング効果を最大化できるでしょう。ぜひ参考にして、UGCマーケティングに取り組んでみてください。きっと売上向上のヒントが見つかるはずです。

■ この記事でわかること

  • UGCマーケティングの定義や位置づけ
  • UGCの具体例や類似用語との違い
  • UGCマーケティングが注目される理由
  • UGCマーケティングのメリットと注意点
  • UGCの主な活用方法と運用のポイント
  • UGCマーケティングの成功事例の紹介

UGCマーケティングとは

UGCマーケティングは、一般ユーザーが生成したコンテンツを活用したマーケティング手法です。ここでは、UGCマーケティングについて詳しく解説していきます。

UGCの定義

UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)とは、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを指します。企業ではなく生活者が発信する「リアルな声」がUGCの本質です。

UGCは、SNS投稿、動画、ECサイトのレビューなど、様々な形態で存在します。これらのコンテンツは、企業の広告とは異なり、実際に商品やサービスを利用した人の生の声が反映されているため、信頼性が高いという特徴があります。

UGCマーケティングの位置づけ

近年、UGCが企業のマーケティングにおいて注目されるようになってきました。その背景には、広告に対する生活者の嫌悪感の高まりや、購買意思決定におけるUGCの影響力の大きさがあります。

マイボイスコム調査によると、広告の内容を読まない人が6割以上に上るそうです。一方で、ニールセン調査では、「購買の際にUGCを信頼する」人が64.6%に達しています。また、51.3%の人が企業発信の情報より、生活者から発信された情報を重視しているとのことです。

さらに、デジタル広告市場の変化により、多様なクリエイティブを必要とする状況になっています。UGC活用は、コスト削減と効率化の手段としても注目されているのです。

UGCの主な例

UGCには、様々な形態がありますが、ここでは主な例をご紹介します。
  • SNS投稿(Instagram、Twitter、TikTokなど)
  • ECサイトのレビュー(Amazon、楽天市場など)
  • ブログ記事

これらのUGCは、生活者の日常的な情報発信活動の中で生み出されています。企業は、これらのUGCを創出・収集・分析し、マーケティングに活用することで、生活者目線のリアルな情報を発信できるのです。

UGCマーケティングが注目される背景

近年、UGCマーケティングへの注目が高まっています。その背景にはいくつかの理由があります。ここでは、UGCマーケティングが注目される主な背景について説明していきましょう。

広告に対する生活者の嫌悪感の高まり

まず、広告に対する生活者の嫌悪感が高まっていることが挙げられます。マイボイスコム調査によると、広告の内容を読まない人が6割以上にも上るそうです。

広告を読まない、あるいはすぐに閉じてしまう人が増えている現状では、従来の広告手法だけでは効果が限定的になってしまいます。そこで、生活者目線のリアルな情報発信であるUGCに注目が集まっているのです。

購買意思決定におけるUGCの影響力

次に、購買意思決定におけるUGCの影響力の大きさが注目される理由です。ニールセン調査では、「購買の際にUGCを信頼する」人が64.6%にのぼりました。

また、51.3%の人が企業発信の情報よりも、生活者から発信された情報を重視していると回答しています。企業の一方的な宣伝よりも、実際に商品やサービスを利用した人の声を参考にする傾向が強まっていると言えるでしょう。

必要とされるコンテンツ量の増加

さらに、デジタル広告市場の変化により、多様なクリエイティブを必要とする状況になっていることもUGCマーケティングへの注目につながっています。SNSや動画広告の普及により、企業は大量のコンテンツを制作する必要性に迫られているのです。

その際、UGCを活用することでコスト削減と効率化を図ることができます。ユーザーが自発的に生成したコンテンツを広告素材として利用できるため、クリエイティブの量と質を担保しつつ、制作コストを抑えられるのです。

デジタル広告市場の変化と課題

加えて、デジタル広告市場の変化と課題もUGCマーケティングへの注目を後押ししています。クッキー規制の強化やEC参入企業の増加により、広告費が高騰しているのです。

実際、SNS広告のCPMは3年間で約2倍に上昇したと言われています。このような状況下で、企業は広告費の最適化と効果的な運用が求められています。そこで、信頼性の高いUGCを活用し、広告効果を高める取り組みが注目されているのです。

以上のように、広告に対する生活者の意識変化や、デジタル広告市場の変化などを背景に、UGCマーケティングへの注目が高まっています。企業はUGCを戦略的に活用することで、マーケティング効果の向上を目指しているのです。

UGCマーケティングのメリット

UGCマーケティングには、多くのメリットがあります。ここでは、その中でも特に重要な5つのメリットについて詳しく解説していきましょう。

親近感や信頼感の醸成

UGCは、企業ではなく生活者が発信する「リアルな声」であるため、消費者に親近感や信頼感を与えることができます。企業の一方的な宣伝よりも、実際に商品やサービスを利用した人の感想や評価の方が、より説得力があると感じる人が多いのです。

例えば、ECサイトの商品レビューやSNS上の口コミは、潜在的な購入者にとって重要な判断材料となります。他の消費者の生の声を見ることで、商品やサービスの魅力をより具体的に理解することができるでしょう。

生活者目線のクリエイティブ増加

UGCは、生活者の視点で制作されたコンテンツであるため、企業の広告とは異なる魅力があります。商品やサービスを実際に使用している人の感想や、日常生活の中での活用シーンなどが描かれているため、消費者にとってより身近に感じられるのです。

また、UGCは多様性に富んでいるため、幅広い層に訴求することができます。年齢や性別、ライフスタイルなどが異なる生活者が制作したコンテンツを活用することで、ターゲットごとにパーソナライズされた(個別化された)アプローチが可能になります。

商品開発や施策改善へのヒント

UGCは、商品開発や施策改善のヒントとしても活用できます。生活者の率直な意見や評価から、商品やサービスの改善点や新たなニーズを発見することができるためです。

例えば、SNSやレビューサイトに寄せられたUGCを分析することで、消費者が商品やサービスに求めている要素や、不満に感じている点などを把握することができます。これらの情報を基に、商品の改良や新商品の開発、サービスの改善などに役立てることが可能なのです。

以上、UGCマーケティングのメリットについて解説してきました。UGCを効果的に活用することで、消費者との関係性を強化し、マーケティング効果を高めることができるでしょう。ただし、UGC活用には注意点もあるため、適切な対策を講じながら取り組むことが重要です。

UGCマーケティングの注意点

著作権侵害対策

UGCマーケティングを行う上で、まず注意すべき点が著作権侵害対策です。UGCを活用する際は、投稿ユーザーからの利用許諾取得が必須となります。

著作権法上、UGCの著作権は投稿したユーザーに帰属します。そのため、企業がUGCを広告やWebサイトに使用する場合は、事前に投稿者から許諾を得る必要があるのです。許諾取得の方法としては、メッセージ機能やUGC活用ツールを利用するのが効果的でしょう。

許諾なくUGCを無断使用してしまうと、著作権侵害に該当するリスクがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、適切な許諾取得プロセスを整備しておくことが重要ですね。

ステルスマーケティング(ステマ)対策

UGCマーケティングにおいて、ステルスマーケティング(ステマ)対策も欠かせません。ステマとは、企業が関与しているにも関わらず、一般ユーザーの口コミを装ってプロモーションを行うことを指します。

特に、モニターやインフルエンサーによる投稿を活用する場合は注意が必要です。企業との関係性を明示せずにUGCを掲載すると、ステマとみなされる可能性があるからです。transparency(透明性)を担保し、ユーザーの誤解を招かないよう配慮しましょう。

また、2023年10月より景品表示法の改正が施行されます。これによりステマ規制がより厳格化されるため、法令遵守の観点からもステマ対策の重要性が増すでしょう。

薬機法の規制表現対策

薬機法の規制表現対策も、UGCマーケティングの注意点の一つです。UGCをランディングページや広告に掲載する際は、薬機法に抵触するような表現がないか確認が必要となります。

例えば、化粧品や健康食品などの商材を扱う企業の場合、UGCに「病気の治療に効果がある」といった医薬品的な表現が含まれていないかチェックしなければなりません。規制表現が含まれるUGCを掲載してしまうと、薬機法違反のリスクが生じるためです。

薬機法対策としては、投稿内容の事前確認を徹底したり、コメントの非表示設定を活用したりするなどの対応が考えられます。自社の商材に応じた適切な対策を講じることが肝要ですね。

景品表示法改正への対応

先ほども触れた通り、2023年10月から景品表示法の改正が施行されます。UGCマーケティングを行う企業は、この改正内容を踏まえた対応が求められます。

改正景品表示法では、インフルエンサーマーケティングにおける企業との関係性開示がより厳格化されます。例えば、インフルエンサーがUGCを投稿する際、企業から報酬を受け取っている場合はその旨を明示しなければなりません。

法改正の詳細を理解し、自社のUGC活用方針を見直すことが大切です。ガイドラインに沿ったオペレーションを行い、コンプライアンス違反のリスクを回避しましょう。信頼されるUGCマーケティングを実現するためにも、景表法対応は避けて通れない課題といえるでしょう。

UGCの主な活用方法

ECサイトや広告LPへの掲載

UGCの代表的な活用方法の1つが、ECサイトや広告LPへの掲載です。トップページや商品詳細ページなど、さまざまな場所でUGCを掲載することができます。

UGCをECサイトに掲載することで、他の利用者の生の声を伝えることができ、サイト訪問者の信頼感や親近感を醸成できるでしょう。また、商品の魅力や効果を利用者目線で訴求できるため、コンバージョン率(CVR)の向上や売上向上にも貢献します。

SNS投稿素材としての活用

SNSでは、特定のハッシュタグを使ってUGCを募集し、集まった投稿を公式アカウントで紹介するという活用方法があります。ユーザー参加型のキャンペーンを実施することで、ブランドへの関心や愛着を高めることができます。

また、UGCを公式アカウントで紹介することで、他のユーザーにも商品やサービスへの興味を持ってもらうことができるでしょう。SNSならではの双方向性を活かし、ユーザーとのエンゲージメントを高めていきましょう。

広告クリエイティブとしての活用

UGCは、SNS広告やバナー広告などのクリエイティブとしても活用できます。一般的な広告クリエイティブとは異なり、UGCは生活者目線のリアルな感覚を持っています。

広告にUGCを活用することで、商品やサービスの魅力をより説得力のある形で訴求することが可能です。利用者の共感を得やすく、広告の効果を高めることができるでしょう。ただし、著作権侵害やステルスマーケティング(ステマ)への注意は必要です。

CRM素材としての活用

定期購入者のレビューなどのUGCを、CRM(顧客関係管理)の素材として活用するのも効果的です。すでに商品やサービスを利用しているユーザーの声は、新規顧客の獲得だけでなく、既存客の維持にも役立ちます。

例えば、定期購入者のレビューを紹介することで、他の利用者が継続して商品を使用するメリットを伝えることができ、継続購入率の向上につながる可能性があります。利用者の声を活用し、顧客とのつながりを強化していきましょう。

商品同梱物への利用

UGCを印刷したリーフレットを商品と一緒に同梱するのも、効果的な活用方法の1つです。商品を手にしたユーザーに、他の利用者の声を直接届けることができます。

実際の利用者の声を目にすることで、商品への信頼感や満足感を高めることができるでしょう。また、次回の購入につながるきっかけにもなります。UGCを活用することで、商品の付加価値を高めていきましょう。

UGCマーケティングの運用ポイント

目的や場面に応じたUGCの収集

UGCマーケティングを効果的に行うには、まず目的や場面に応じたUGCの収集が重要になります。ここでは、その具体的な方法について見ていきましょう。

UGCを生成・収集する際は、商品やサービスの特性を踏まえ、どのようなUGCが効果的かを検討することが大切です。例えば、化粧品であれば使用感や仕上がりに関するUGC、食品であれば味や食感に関するUGCなど、商品の強みを訴求できるUGCを集めることが有効でしょう。

また、UGCを収集する方法の一つとしてアンバサダーを活用する方法もあります。アンバサダーとは、商品やサービスに興味を持ち、実際に使った感想をSNSなどで発信する一般の消費者のことです。アンバサダーを募ることで、生活者目線のリアルな口コミが得られ、高いエンゲージメントを生み出すUGCを効果的に生成することができます。

さらに、キャンペーンやモニター企画を実施し、参加者に商品を提供してSNSでの投稿を促す方法があります。例えば、特定のハッシュタグを使った投稿を募集すれば、効果的に多様なUGCを収集できるでしょう。収集したUGCは企業の広告やプロモーションにも二次利用できるため、マーケティング全体の効率化にもつながります。

もちろん、ステルスマーケティング規制には注意が必要です。企業との関係性を明示してもらい、透明性を確保することで、消費者の信頼を維持することが重要です。

PDCAサイクルによる運用型UGC

UGCマーケティングの成功には、PDCAサイクルを回し続ける「運用型UGC」の考え方が欠かせません。ここでは、運用型UGCを実践するためのポイントを解説します。

運用型UGCとは、UGCの収集・活用・分析・改善を継続的に行うことで、マーケティング効果を最大化するアプローチのことを指します。単発的なUGC活用ではなく、PDCAサイクルを回し続けることが重要なのです。

具体的には、まずUGCを収集し、ECサイトや広告などに活用します。そして、その効果を分析し、どのようなUGCが効果的だったのかを明らかにします。その上で、次回のUGC収集や活用方法の改善につなげていくのです。

運用型UGCを実践するには、適切な指標の設定とその継続的な計測が欠かせません。ECサイトのコンバージョン率や広告のクリック率など、UGCの効果を測定できる指標を決めておきましょう。そして、定期的にその数値を確認し、改善策を講じていくことが大切です。

CREAVEのアンバサダープランの紹介

ここまでUGCマーケティングの運用ポイントについて解説してきましたが、弊社が実際に支援をおこなった企業様の成功事例をいくつかご紹介します。

株式会社CREAVEでは35万人規模のクリエイターネットワークを活用し、商品の魅力を最大限に引き出す高品質な商品撮影と、共感をよぶUGC(SNS投稿)創出を実現しています。

  • 韓国農水産食品流通公社様

    – 導入目的:SNSを活用した認知拡大と商品の楽しみ方の訴求を目的として、CREAVEのアンバサダープランを導入いただきました。

    – 実施効果:アンバサダー60名によるInstagram151投稿と、撮影素材978枚納品を実施し、トップ投稿に複数ランクインしました。ECでの売上が前年比30%増になった商品も!

  • 株式会社フィッツコーポレーション様

    – 導入目的:ブランドイメージの写真収集と公式ECサイトへの流入増加を目的として、CREAVEアンバサダーを導入いただきました。

    – 実施効果:アンバサダー30名によるInstagram36投稿と、撮影素材305枚納品を実施し、トップ投稿にランクイン。ECサイトへのアクセス数が、前年比383%に増加しました!

  • 浅野撚糸株式会社様

    – 導入目的:ECサイトリニューアル用&SNS投稿用の写真素材収集を目的として、CREAVEアンバサダープランを導入いただきました。

    – 実施効果:アンバサダー30名によるInstagram58投稿と、撮影素材692枚納品を実施し、トップ投稿にランクイン。Instagramからの流入による売り上げが5倍に増加し、初回が対象の「初めてセット」も2倍の売り上げを記録。売り上げ増加と新規顧客の獲得に貢献しました。

  • まとめ

    UGCマーケティングとは、一般ユーザーが生成したコンテンツを活用したマーケティング手法のことです。広告に対する生活者の嫌悪感の高まりや、UGCの購買影響力の大きさを背景に注目されています。実際に商品を使用した人の生の声は説得力があり、親近感や信頼感を醸成できるからです。

    UGCマーケティングのメリットとしては、コンバージョン率の向上、制作コストの削減、生活者目線のクリエイティブ増加などが挙げられます。一方で、著作権侵害やステルスマーケティング、薬機法や景品表示法への対策も必要不可欠です。

    UGCの主な活用方法は、ECサイトや広告への掲載、CRMやSNS投稿素材としての利用、商品同梱物への印刷などがあります。運用にあたっては、目的や場面に応じたUGC生成・収集、PDCAサイクルによる継続的な改善、SKUやユーザー属性に応じた訴求内容の調整がポイントとなるでしょう。

    UGCの可能性をさらに拡大する方法として、弊社の「アンバサダープラン」の活用をおすすめします。このプランでは、商品やサービスの撮影・発信を行うアンバサダーを募集し、撮影素材とUGC(SNS投稿)の大量収集を同時に実現します。納品された写真や動画、UGCは媒体不問で無期限に二次利用が可能で、SNS投稿や広告、Webサイトに幅広くご活用いただけます。

    アンバサダープランについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

    この記事を書いた人

    株式会社CREAVE
    セールスマーケチームSNSに関する有益な情報をお届けするチームです。主に、メルマガ、セミナー、お役立ち資料、コラム記事などを担当しています。

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